政権奪取論 強い野党の作り方 橋下徹

 

「政権奪取論 強い野党の作り方」のおすすめ度

おすすめ度 ★★★
おすすめ読者層 政治行政に関心がある人
大組織のリーダー

 

あらすじと感想

著者の大阪府知事、大阪市長、維新の会創設などの政治行政経験を踏まえて、特に国政野党はどうあるべきかということを問題提起した内容となっています。

また大阪都構想の狙いについて解説がされており、要約すると、①日本の成長のためには中央集権体制を変える必要がある。②中央集権体制を変える一歩として大阪都構想による果実(統治機構変更のメリット)を有権者に認識実体験してもらう。③大阪都の成果を基に国家統治の在り方を変える。ということです。

本書は総じて政治に関する内容となっていることから、政治行政や組織論に関心がある人向けの書籍となりますが、組織リーダーの方も一読の価値があります。38歳という若年齢で大阪府知事に就任し、組織内反発も多い中でどのような組織運営を実践してきたのか、また物事の組立て、論理思考など、著者の組織論に学ぶことも多くあります。

「政権奪取論 強い野党の作り方」より引用

今でも僕は、大阪都構想は大阪を変えるだけでなく、道州制に踏み出し日本を変える起爆剤だと信じている。

「政権奪取論 強い野党の作り方」より引用

野党を強くするには、地方から党を作っていかなければならない。いきなり国政では政権を取れなくても、まず地方で首長や議席を取っていく。大阪において維新が自民党と対峙できる政党となったのと同じことを、全国的にそれぞれの地方でやっていかなければならない。

「政権奪取論 強い野党の作り方」より引用

重要になるのが野党の存在感、すなわち「実際に政権を担える」ことを有権者に実体験してもらうこと。そのためには地方の首長や議会を制して、行政権を駆使して政策を実行し、課題解決や改革に際し立ちはだかる壁に挑む。既得権益の壁に挑戦する。
そうして実行力を感じてもらうのと並行して、マーケティングによって有権者のニーズをさぐり、自民党とは異なる選択肢を提供する

本書の別の箇所では、東京と大阪という二つの「都」を、日本を引っ張っていく二つのエンジンにしたいとも述べています。それらの内容を踏まえた個人的な予想となりますが、橋下徹さんが政治復帰するならば、大阪の首長へ再登板か、東京の首長が有力な選択肢となるでしょう。

橋下徹さんは国家指導者に相応しい稀有な人物だと思いますので、もう一度国のために動いて欲しいですね。
ちなみに、現職東京都知事の任期は2020730日となっています。

政権奪取論 強い野党の作り方のポイント

野党は、自分たちが政権与党になったときにどういうスタンス、振る舞いを取るのかを踏まえた上で行動すべき。

加計学園問題の本質である外形的公正性について、政治家は配慮する必要がある。

有権者の現在利益より将来利益を重視すべき。国民に負担を求める改革を断行するのであれば、政治家の身を切る改革は必要不可欠。

大阪都構想で目指したものは、東京と大阪という二つの「都」を、日本を引っ張っていく二つのエンジンにすること。

自民党の「古き良き日本」とは異なる「未来志向型」の道を、野党は示す。

野党は有権者に対し、弱者への優しさだけを訴えるのではなく、正々堂々と切磋琢磨、競争が必要なことを伝える