なぜアマゾンは「今日中」にモノが届くのか  林部健二

 

「なぜアマゾンは今日中にモノが届くのか」のおすすめ度

おすすめ度 ★★★
おすすめ読者層 アマゾンの経営戦略に関心がある方
物流に対する簡単な知識を得たい方

 

あらすじと感想

アマゾンの、特に物流戦略について解説した内容となっています。

アマゾンは「物流」に対する経営優先度が圧倒的に高く、物流部門に対して経営資源を大量に投下しています。対して、日本の一般的な企業では「営業物流」の考え方が主流となっているため、どうしても物流への優先度が低くなっています。その差異の結果が、今日のアマゾン物流の強みとなっています。

本書は読みやすく簡潔にまとめられているので、アマゾンの物流に関して初歩的な知識を得たい方向けとなっています。ある程度の知識を有している方には物足りないと感じるかもしれません。

「なぜアマゾンは今日中にモノが届くのか」より引用

アマゾンは物流システムを重要視する中で、最高の人材をそこに配置するようにしています。倉庫管理者の多くは、MBAを取っている人間です。新卒採用された東大卒の若手でさえも、倉庫でピッキングをするところから仕事を始めます。

アマゾンは、過去から一貫して「物流」に対して投資を続け、優秀な人材を配置しています。一方で、日本の多くの企業では物流はコストセンターと捉え、物流への資源投下や出費をできるだけ抑える事が良い経営とされてきました。

2017年から始まった宅配危機の社会現象により、日本でも物流の経営重要性は高まりましたが、時すでに遅しの状態で、アマゾンが物流でも相当に先行した状況となっています。

 

「なぜアマゾンは今日中にモノが届くのか」より引用

日本では、一般的に会社同士の付き合いにおいても、義理人情が適用します。いつもお世話になっているから、今までお世話になってきたから、というのがまかり通るのです。こうした日系企業の慣習は、非合理的・非生産的・非資本主義としか言えません。

日本のビジネスにおいては、義理人情や付き合いという慣習が存在しています。アマゾンはそうした慣習を一切排除し、徹底的な合理主義・資本主義で物事を進めているわけです。義理人情や付き合いの良し悪しの問題では無く、事実として、アマゾンは資本主義の徹底を強みとしているのです

なぜアマゾンは今日中にモノが届くのかのポイント

アマゾンの企業理念は、「地球上で最も豊富な品揃え」、「地球上で最もお客様を大切にできる企業であること」

アマゾンは徹底した資本主義の考えのもと、全ての取引会社を互いに競争させ、完璧な経済合理性をもって契約を締結する、という戦略を持っている。

顧客にとって利益になること、アマゾンにとって利益になること、それを論理と数値で判断していき、しがらみは一切持たない。

アマゾンでは変わり続けられる人しか働けない。ダーウィンの進化論のように、適応できない人材は淘汰されていく。