学問のすすめ 現代語訳 福澤諭吉(著) 斎藤孝(翻訳)

 

「学問のすすめ 現代語訳」のおすすめ度

おすすめ度 ★★★★
おすすめ読者層 学ぶ向上心が高い人
学ぶことへの後押しが欲しい人

 

あらすじと感想

本書の内容は、タイトルが示す通り「学問をすべきである」ということを説いた内容になっています。

本を読むことだけが学問ではなく、実生活も学問であって、実際の経済も学問、現実の世の中の流れを察知するのも学問であると福沢諭吉は述べ、なぜ学問をすべきなのかという根拠を添えて、学問の大切さを丁寧に解説しています。

また、福沢諭吉が考える国家と国民のあるべき姿が随所に述べられており、そのためにも学問が必要だと説かれています。
具体的には、政府と人民は対等であり、政府とわたりあえる人民となる必要がある。そのためには学問に志して、自分の才能や人間性を高めなければならないという理屈になっています。

福沢諭吉の国家観も随所に述べられており、国法は尊いものであるとして、法を無視して敵討ちをした忠臣蔵は間違いであると痛烈に批判しています。また国民の義務についても、「国民は税金を気持ちよく払うべし」とズバリ物申しています。

本書を読めば学問の大切さを理解できますし、福沢諭吉の考え方や国家観も知ることができます。
読書初心者の人には少し難しい内容だと思いますが、誰しもが一読しておく価値が十分ある書籍です。

「学問のすすめ 現代語訳」より引用

「天は人の上に人を造らず、人の下に人を造らず」と言われている。~省略~

しかし、この人間の世界を見渡してみると、賢い人も愚かな人もいる。
貧しい人も、金持ちもいる。
また、社会的地位の高い人も、低い人もいる。

こうした雲泥の差と呼ぶべき違いは、どうしてできるのだろうか。

その理由は非常にはっきりしている。
「実語教」という本の中に、「人は学ばなければ、智はない。智のないものは愚かな人である。」と書かれている。

つまり、賢い人と愚かな人との違いは、学ぶか学ばないかによってできるものなのだ。

「天は人の上に人を造らず人の下に人を造らず」という言葉は有名で皆さんも聞いた事があるかと思います。

この言葉の意味は「人間は生まれたときから全員平等であり差別してはいけない」という平等も説いているのですが、実は続きの文脈があって、一番の重要ポイントは、「学ぶか学ばないかで賢者か愚者が決まる。つまり学ぶことが重要である」ということを説いた言葉なのです。

このように、全体や背景を理解していないと本質を掴めないことはよくあることですが、私も本書を読むまで福沢諭吉が伝えたかった本当の意味を知りませんでした。

「福沢諭吉の学問のすすめ」を聞いた事はあっても、実際に書籍を読んで中身を理解している人はそこまで多くないと思います。本書を読めば、福沢諭吉という人物が、一万円札の肖像に描かれる程の偉人とされている理由を理解できるでしょう。

学問のすすめ 現代語訳のポイント

法律をつくり、悪人を罰し、善人を守る。これが政府の商売。この商売には費用がかかるので税金が必要。この政府と人民の取り決めが「社会契約」である。

初歩の学問で満足してはいけない。

本を読むことだけが学問ではない。学問とは、読書、観察、探求によって知識を蓄え、議論によって知識を人と取り交わし、著作や演説で自分の知見を人に広めることである。

民間で出来ることは民間でやる。つまり福沢諭吉は小さな政府を説いている。

国法は尊いものであり従わなければならない。法を破ることなく、もし法律が不都合であれば論で訴えるべきである。

人望とは、その人の活発な知性の働きと、正直な心という徳をもって次第に獲得していく。